鈴木 今回の公的機関の案件に関しては、2020年の夏ごろにカード会社経由で話が持ち上がりました。他の自治体案件も共通していますが、カード会社独自の決済端末とPOS+を組み合わせて利用していただくという提案を展開。私は導入や運用面を支えるカスタマーサクセスを担当しているものの、話のスケールが大きくなりそうだったので、初期段階から営業とともにお客様先に訪れて対策を練っていました。実際、そのときから複数の拠点で利用したいとの要望が持ち上がっていました。
平松 結果として100ヶ所以上に入れるという大掛かりな話に発展しましたね。この規模をコントロールするために心がけてきたのは、仕様が固まり切る前にお客様の本部と各現場の要望を綿密にヒアリングすること。先回りして必要な仕様が予想できるように、社内での綿密な情報共有も怠りませんでした。
渡部 私は開発部門の部長(GM)という立場で組織のマネジメントにあたりました。ヒアリングを進めていった中で浮き彫りになった課題は、お客様のシステムやインフラ環境への対応が難しいという点です。ここをクリアしないとお客様窓口で帳票が印刷できなくなるので、独自機能として新たにシステムを構築しなくてはなりませんでした。公的機関独特の帳票の意味、用途を理解するのも一苦労で、間違えて理解しないように慎重に話し合いを重ねていきました。
平松 実は私にとっては異動後2か月で始まったプロジェクトでした。しかもポスタス内部でもカード会社とのアライアンスや公共案件に関する知見が貯まり切っておらず、手探りでの作業の連続でした。利害関係にあるのがポスタス、カード会社、リース会社、そしてお客様である公的団体の4社があったのですが、契約内容に認識の齟齬が発生しており、その調整には苦心させられました。
鈴木 関係者が多いことに加え、公共案件ならではの独特な方式にも苦心させられました。
平松 今回は提案書の得点で受注が決まる“プロポーザル案件”だったのですが、公共案件独特の用語が羅列されている仕様書を読み込んで提案するのが難しかったですね。ただ、おかげでポスタスにプロポーザル案件に関するノウハウが蓄積され、公共グループの土台となるものができたのは大きな収穫でした。